(内科)ウイルスと細菌の違いとは?
2020年9月13日
皆さんこんにちは。
いそざきファミリークリニックです。
現在、世界で蔓延中の「新型コロナウイルス」は、せきや発熱など風邪のような症状に加え、嗅覚や味覚の異常なども引き起こすことがあります。
微生物の感染で生じる症状は、原因となるウイルスや細菌によって異なります。
そこで気になるのがウイルスと細菌の違いですね。
どちらも病気の原因となる点は共通していますが、微生物としては大きく異なります。
ウイルスには、生命の最小単位である細胞や細胞膜が存在しません。
また、自己増殖するための小器官もありません。そのため、ウイルスはそもそも「生物ではない」とする考え方もあります。
では「ウイルスはどうやって生命活動を営んでいるの?」という疑問が生じますよね。
例えば、新型コロナウイルスは、私たちヒトに感染すると、私たちの細胞の中に入り込み、自分のコピーをたくさん作らせます。
その後は細胞を破って外に出て、次の細胞へと移動していきます。
それが繰り返され増殖することで、細胞の集合体であるさまざまな臓器が障害されてしまいます。
治療として、ウイルスが細胞にくっつくのを防ぐ、ウイルスが細胞内で増殖するのを妨げる、などの抗ウイルス薬が開発・投与されます。
予防としては、ウイルスに対するワクチンの開発・予防接種がすすめられます。
一方、細菌は、自分の細胞や細胞膜を持ち、自分自身で増えることができる微生物です。
ウイルスとは異なり、「生物」として定義されています。
ヒトに病気を起こす細菌としては、大腸菌や黄色ブドウ球菌、結核菌などが有名ですね。
ちなみに「抗菌薬(こうきんやく)」は、細菌の働きを阻害する・殺菌する作用が期待できる薬剤であり、構造が全く異なるウイルスに対しては一般的には無効です。
現在すでに様々な細菌に対するワクチンも開発・投与されています。
このように、ウイルスと細菌はどちらも感染性の病気を引き起こす原因となりますが、その構造や治療・予防法には大きな違いがあります。
これらを理解した上で、新型コロナウイルスと向き合うのも良いかもしれません。